膀胱結石ー多飲多尿・頻尿
板橋区小豆沢の動物病院「DOG TOWN AZUSAWA CLINIC」 院長 吉田一万です。
今回より実際に診療させて頂いた病気をご紹介しながら、その病にまつわる早期発見に繋がる症状の見つけ方や、予防方法などをお伝えさせて頂きます。
ワンちゃん、ネコちゃんとのハッピーな生活の一助になれば幸いです。
今回は、ご自宅で気づきにくいけど、知っていれば見逃さない「多飲多尿」症状のお話しです。
要は、おしっこの量と飲み水の量が増えてくる症状なのですが、若い子にも出る可能性もありますし、こと7歳を越えた子には重大な病気の初期症状として出てくることがあります。
特にワンちゃんでは、トイレの失敗やお漏らしとして発見されることもあります。
トイレの失敗が増えてきた子は、トイレが下手になったのではなく、尿が増えて間に合わない・・・のではと見てあげてみて下さい。
正常尿量は小型犬(40㏄~400㏄)、大型犬(500㏄~2000㏄)となっておりますが、正常範囲が広いので、何㏄飲んだから多尿!という見方ではなく、先週より今週、今週より来週という目線で尿量・飲水量ともに増えてきていないかどうかを見てあげることが重要です。
【多飲多尿と引き起こす病】
心因性枯渇
下痢・嘔吐
尿崩症
低カリウム血症
高カルシウム血症(悪性腫瘍、甲状腺・上皮小体機能亢進症)
腎不全
肝不全
糖尿病
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
副腎皮質機能低下症(アジソン病)
膀胱炎、膀胱結石
子宮蓄膿症
食事性
薬物反応性(ステロイド剤等)
ストレス(高コルチゾール血症)など
血液検査を行うことで、上記の病のたいていは発見もしくは疑うことができます。
何事もなくても7歳までの子は年に一回は、それ以上の子は半年に一回は健康診断をしてあげましょう!
写真は膀胱結石・尿管結石・膀胱炎によって多尿・頻尿を示していたワンちゃんのレントゲン写真と手術にて取り除いた結石です。
今は、多尿傾向を示すことなく、結石の再発もなく、元気に1回/月のペースで、体重測定とフィラリア、ノミ・ダニのお薬を取りに、そして大好きなおやつを食べに来てくれています!!